まさにジャンク 電話 (誠一三上) 忍者ブログ
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その時唐突に、何の前触れもなく切られたカードは、三上を追い詰めるに十分の衝撃だった。

ただ、失念していたのだ。
思い返せば、彼は目的のためなら、手段など省みらずに何だってやるような人間だった。例えばそれが目的の達成に必要なことだとしたら、簡単に誰かを傷つけてしまうような、そんな。

唐突に三上を襲った後悔は、けれど同時に湧き上がった恐怖に取って代わって体を震わせた。

乗じて吹き出した汗に、受話器が手のひらから滑り落ちそうになるのを懸命に止まらせながら三上は声を絞り出した。
「…、何、言ってんすか」
一瞬つまってしまった言葉に、電話の向こうから、まるで耐え切れないとでもいうような笑い声が漏れる。
『ああ、いいよ、そういう往生際の悪さが好きだね。―――追い詰め甲斐がある』
「ふざけ…、」
『じゃあ、そんな君にもう1回だけチャンスをあげよう。うちの可愛い弟を寝取ったんだろう?』
冷や汗が背筋をなぞるのを感じながら、三上はごくり、と唾をのみこんだ。
「……、ちが、」
『あ~あ、お前も馬鹿だねせっかくの猶予を』
同情を含んだ彼の声音は、けれど明らかに愉快そうな調子と合い間って耳元で震えた。

三上は思わずその声に陥落してしまいそうになる己を懸命に叱咤した。これは、はったりに決まっている。念には念を重ねた。あの日の出来事を、誠一が知るすべなどあろうはずがない。

『お前今ベッドにいる?いるよな?』
「…はい、それが…?」
『壁にくっついてる方のベッドサイドを手で探ってみ。頭の方な』
「は?何言ってるんですか」
『いいから。探ってみろって』
釈然としないままに、それでも渋々ベッドに横たえていた体をゴロリと半回転させると、壁とベッドの間にできたわずかな隙間に手を差し込んだ。そしてそのままベッドの側面をなぞるようになで上げて、そして、ある一点で、手が止まった。
まるでそれにタイミングを合わせるかのように、誠一の低い笑い声が鼓膜を震わせた。
『見つかった?』
「……」
指先で触れたその物体の覚えのある形状に、三上は内側で、何かがゆっくりと崩れ去っていく音を聞いた気がした。
…まさか、

「盗聴器…?」

『ビンゴ!…あ、別に取らなくてもいいと思うぜ、それもう電池ないから使い物になんないし』
瞬間、頭から足の先までさっと血の気が引いていくのを感じた。指先の小さな震えが、全身に伝播する。
「まさか今まで…、」

『誠二に抱かれて鳴くお前の声、良かったぜ。あっ、そうか聞かせてやろうか』
「や、めろっ…!」
『おいおい、君に拒否権があると思ってるの。言いつけを破った上にそれを隠そうとするなんてさあ、本当できがわるいよね。…なあ三上』
ドスを聞かせるように呟かれたその言葉に、全身が戦慄く。
「…あ、すみませ…」
条件反射のように呟いてしまった謝罪の言葉は、けれど三上をただ追い詰めるだけでしかなかった。

『ばっかだね~、許すわけないじゃん』
くくくっ、と発せられた笑い声が、悪夢のように耳の内奥に響いた。

 


 

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