まさにジャンク 社長×秘書(誠一渋沢) R18 忍者ブログ
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※性描写を含みますので、18歳以下の方の閲覧はご遠慮ください。


 

東京オフィス街の高層ビル35階、窓いっぱいに都心のパノラマが広がる部屋の黒い革張りの肘掛椅子は、藤代誠一が生まれたその瞬間からゆくゆくは彼のものとなることが決まっていた。早すぎる前社長の他界は、決定事項を少し早めただけのことにすぎなかった。例えば渋沢のものになると決まっていたものが、ようやくローンを払い終えた小さくてボロい一軒家であることと比べれば、それは雲泥の差というやつだった。
…せめてローンが終わっているだけマシか。渋沢は自嘲気味に口の端で小さく笑ってみせてから、すぐに引き締めた顔をあげた。そうして目の前に立ちはだかる、まるで分厚い壁のような、けれど内実は肩の力がぬけるほどに薄っぺらい扉をノックした。間髪いれず中から応答がして、渋沢はドアノブを握り締めるとゆっくり押し開いた。

「失礼します」
渋沢は音を立てないようにと細心の注意を払って扉を閉めてから、書類に目を落としたままの誠一に向き直って会釈した。
「社長、山田商事の田中様がおいでです」
「渋沢?ちょうどよかった。コーヒー淹れて」
相変わらず渋沢の方に目をくれようともせず、ペンを持った手を走らせながら誠一が無造作に言葉を投げてよこした。
「…、社長」
人の話を聞いていなかったのか、この人は。渋沢は少し面食らって、たしなめる調子で語気強く繰り返した。
そこでようやく誠一は顔をあげると、
「…ばかだねうちの秘書は。待たせるのも戦略のうち、ってね」
勝ち誇ったような笑みを浮かべた。だからコーヒー、とまるで駄々をこねる子供のような調子で続けられて、渋沢は返す言葉もなくコーヒーを淹れに立った。

初めてここにやってきた時、まっさきに覚えさせられたのはコーヒーの好みだった。インスタントコーヒーをスプーンで2杯。お湯を勢い良く注いで泡をたてる。インスタントコーヒーの嘘っぽい味がすきなのだと、渋沢には理解できない好みを彼は熱っぽく語った。理解できるわけがない。どんなに高級な豆だって、手に入れられる立場の彼なのだ。

誠一と対峙する時、常に心の裏側にあるのは畏怖と憎悪だった。それは決して持たない者の持つものに対する嫉妬ではなく、憎悪なのだ。もって生まれたものが才能であるだけにとどまらず、この世を動かすことの出来るほどの膨大な財産だったという、その事実に。それが自分ではなかったということの、その事実に。限りなく憎悪する。

けれど、いつか―――、

「お待たせしました」
「どうも」
カチャリ、と音を立てて湯気の立ち上るコーヒーカップを机の上に置くと、誠一は一瞬手をとめた。そして渋沢を見あげたその瞳の鋭さに、渋沢は思わず後ずさる。
「…まさか毒なんて入れてないだろうね」
「…は、何を突然」
「冗談だよ、笑えよ。んなこわばった表情してるからからかっただけ」
誠一はコーヒーを一口飲み込んでから、はははっ、と爽快な笑い声をたてた。
「……」
「有能な秘書だね。コーヒーがまずかった事がない」
「…ありがとうございます」
「ただ逆に有能すぎて怖いけど」
誠一はわざと興味なさそうに呟いて、佇む渋沢の所在のなさなど意にも止めずに立ち上がると、窓の向こうのパノラマに視線を向けた。これこそ小春日和、とでもいうのだろうか。晴れ渡った空が高層ビルの頭上を覆っていて、そのまぶしさに誠一は目を細めた。
「有能な秘書さん」
口ずさむように出た言葉には、幾分揶揄が篭っていた。
「……」
不振気に眉を潜める渋沢の表情が、背を向けていても手に取るように想像できて誠一は密かに笑いをもらした。

「いつになったら俺を殺してくれんの」
不意に窓から振り向いた誠一の視線が、まるで射抜くように渋沢を直視した。思わず見返してしまった瞳を、渋沢は今になって激しく後悔した。

捕らえられたら、最後―――、

 

「おいで」

抑揚なく発せられたその一言に、張り詰められていた緊張感がぷつりと切れる気配がした。それは、諦めにも似ていた。深い憎悪は、けれど究極の畏怖に勝るものではないことを知る。まるで何かの暗示にかかったように、渋沢はのろのろと二人を隔てていた机をこえた。そうして差し出された右手に触れるその前に、伸びてきた左手にネクタイを力任せに引っ張られた。咄嗟のことで何の構えもなしに引かれたネクタイは喉に深く食い込んで、その苦しさに大きく咳き込んだ。
「あ~あ、書類に唾飛ばしちゃったよコイツ」
どうしてくれんの、と胸倉をつかまれ冷たい目で見下ろされて、渋沢は湧き上がる感情に唇をかみ締めた。誠一はそれに愉快そうな声をたてて、
「そのさあ、飢えたような目が好きなんだ」
と目を細めた。渋沢がその言葉の意味を考える暇もなくシャツのボタンを飛ばされ、そしてそのまま身体を窓ガラスに押し付けられる。ひんやりとしたガラスの温度が素肌に伝わって、渋沢はぶるりと身体を震わせた。その拍子に、かろうじて引っかかっていた背広が腕を滑り落ちる。それを追うように見下ろした足元の向こうに数十メートル下の道路が見えて、渋沢は自分が存分に乱れた格好でガラス窓に押し付けられているというその事実をおぼろげながら自覚した。
「誰か見てるかもなあ、あの向かいのビルとか?」
まるでタイミング良く耳元で呟かれた言葉に、渋沢は舌打ちを返した。なんて最悪だ、質の悪いアダルトビデオだ。
「いいね、暴れてくれた方がやる気がでる」
「ふざけ、ないでください」
「ははは!丁寧だね。さすが有能な人間は違う」
感心するよ、と言いながら一方で誠一の片方の手は渋沢の胸に滑り込み、もう片方はベルトのバックルに手をかけた。
誠一の体に半分圧し掛かられるようにして窓ガラスに押し付けられた胸が息苦しくて、渋沢は大きく息をついた。なんとか苦痛から抜け出そうと身体をよじると、むき出しの乳首がガラスに擦れ、て、
「…っ!」
体の奥の方から駆け上がってきたざわりとした感覚に息を呑んだ。
渋沢はぶるぶると首を振った。そうして振り切ろうとした感覚は、けれど強引に渋沢の胸とガラスの間に割って入った冷たい手によって一笑に付された。乱雑に撫で付けられたその部分から広がる痺れに、渋沢は無意識のうちにガラスについていた手のひらをぎゅっと握り締める。屈辱だった。
震える体は、けれど誠一の手と窓ガラスに阻まれて逃げ場を失う。思わず口をついてでそうになった声を限界までぐっとかみ殺して、目の前に広がる無機質な高層ビル群を視界におさめた。

心のずっと内側で、どろどろになって絡みつく憎しみと欲望のループに眩暈がする。

「…ぁっ」
「まったく有能な秘書だよ」
「…うぁ、…っ、社長ッ…!」

パサリという布地が床に落ちる乾いた音と、理性を捨てる瞬間とはほぼ同時だった。
インスタントコーヒーの焦げ臭いにおいが唐突に鼻をついて、けれどそれに眉を潜める時間は与えられなかった。
 

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