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木の枝から落下した大粒の雫がひとつ、ビニール傘に当って弾けた。それに反応するように触れ合った肩がうれしそうに跳ねて、その拍子に掲げた傘が前後にふれる。三上は降りかかる水しぶきに眉を寄せながら、
「ガキかっつーの」
小さく舌打ちを返した。そして少しだけ上方にある頭を見上げるのが癪で、黒く湿ったアスファルトに目を落とす。
「雨の音っていいじゃないっすか。俺はスキ」
「あっそ」
興味のない声音で呟き返せば、抗議のように肩をぶつけられる。それに傘の外に追い出すような勢いでやり返して、けれど全くびくりともしない身体にある種の殺意を覚えて、地面に落としたままだった視線を藤代にむけた。しかし威圧する予定で睨んだ相手はひるむどころか逆にそれを楽しんでさえいるような笑みをよこして来て。そこでようやく、さっきから懸命に視線をそらそうとしていた努力が水の泡になってしまった事に気付いて、三上は悔し紛れにアスファルトを思いっきり蹴り飛ばした。その勢いで跳ねた水音が、降り続く雨のむこうに響いて吸い込まれるように消えていった。その音に互いに耳を澄ますような間をおいて、一瞬シンとする。地面を打つ雨の音とは一転、気まずくなった傘の下の空気をかき消すように、藤代が大げさに肩をすくめてみせた。三上はそれを横目でみて、渾身の力をこめてもう一度だけ睨みつける。けれど返されたのは、ビニール傘の下でくぐもった笑い声と、
「もう少し傘、高くあげて?」
追い討ちのように諭すような口調で。三上は掲げた手を要求とはてんで逆の方向に動かした。
*
中学生のおっとこ~がふたり、せっまいビニール傘の下でイチャコラしてるんだぜ…。ちょっとかわいいんじゃないの…。
ちなみに三上が傘をもたされてるのは、最初は藤代がもってたんだけど奴にもたせると自分が雨にぬれ放題になるということに気付いたという経緯があります。や~、でも傘とかさしてなくてもいいよね…、土砂降りの雨の中で泣いてる三上とか…、さ!藤代も泣いててもいいよ!ていうかみんな泣いちゃえよ!(……はぁ?)
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