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念のために部屋を覗いてみたけれど、案の定そこに藤代はいなかった。
心当たりを求めて階段を降りる途中、階下から空き缶が何かに当たる甲高い音が響いてきて、やっぱり、と三上は内心ため息をついた。
音の正体は、なんとなく想像がついた。ご機嫌はどうやらまだ収まっていないようだ。もっとも、放っておけば収まるようなご機嫌なら、三上がこうやって藤代を探す必要もないのだけれど。
足を忍ばせて、自販機の明かりだけで照らされた空間に一歩足を踏み入れる。
「おい」
無造作にかけた声は、小さな空間に反響した。けれど、休憩スペースの奥で座ったままの人影は、何の反応も寄越さずに、薄暗い闇にただ同化している。三上はそちらをあえて見ずに、足元に転がっていた空き缶をひろった。
「…物にあたんじゃねえよ」
側にあったゴミ箱に空き缶を放り投げると、ややあって鈍い音がした。ゴミを回収したばかりらしい。相変わらず無反応の藤代にようやく目を向けて、三上は苦笑した。
「シカトかよ」
近寄るなとばかりに寄越された鋭い視線にそ知らぬふりをして、藤代の隣に腰を降ろす。ただ、人ひとり分くらいの間を空けて。
「元気そうじゃねーか」
「……」
うんともすんとも言わないとは、まさにこの事だ。俺のことをきっと、あっち側のスパイだとか思ってるんだろ、まったく面倒くせえやつ。
「あのさあ、別に説教しに来たわけじゃねえんだから、なんか言えよ」
「……呼んでないです」
「呼ばれないと来ちゃいけないわけ?お前何様だよ」
「……」
藤代は椅子の上で抱え込んだ足を、さらに強く抱えていっそう小さくなる。
「俺お前探してたんだけど。なんでか分る?」
「…俺が悪いって言いに」
「話聞いてた?説教しに来たわけじゃねえっていったろ。お前がその話したくないなら、しねえし」
中等部が何やら揉めている、と聞いたのは、一週間くらい前の事だった。三上達3年が中等部のサッカー部を引退して、代替わりした矢先のこと。藤代が、新チームで上手くかみ合わなくていつも苛々している、と笠井が愚痴をこぼしていたのを聞いたのだ。そりゃあ最初はしっくりこないのは仕方ねえよなあ、まして藤代だし……。とたいして心配もせずに聞き流していたところ、つい2,3日前、山田と藤代がひどい喧嘩をしたというのだ。山田は、新生武蔵森の10番だ。そして、藤代に不満を持ったほかの1軍が藤代と何やら揉めたらしいのだ。藤代は孤立して、監督には責められて、精神的に参っている、と。
なんとなく、放っておくのはやばい気がした。そして、関係ないと言っていられる立場でもない。
「…じゃあ何で俺探してんスか」
不振気に、藤代が眉を寄せる。
「愚痴でも聞かせてやろうかと思ったんだよ」
「はあ…なんで俺に…」
「バーカ、中西とかに愚痴言うと、ただの悪口になるだろ。高等部の練習まじキツイ、何がキツイって一番下の学年なんだぜ…信じらんねえだろ…」
「へえ……」
「おい、今なんか笑っただろ」
「笑ってないですよ、ざまあみろって思っただけです」
「ア?んだと…?」
殴る振りをして、人一人分あいていた間を詰める。藤代は、何がツボだったのか、それに気づかずおかしそうに笑っている。丸まった背中をポンポンと叩いてやってから、大げさにため息をつく。
「あーあ、残念、お前泣いてるかと思った」
「…三上先輩じゃないんだから」
「俺がいつ泣いた?あ?言ってみろ?あ?」
時計の針が就寝時間をさすのを確認して、立ち上がった。藤代が、少しためらうように椅子の上から膝をおろした。
「お前もどうすればいいかなんて自分で分ってんだろ。俺がなんとかするから、お前も少し折れろ」
藤代が背後で、身体を強張らせるのが分った。構わず続ける。
「お前の気持ちはわかんねえが、山田の気持ちは痛いほどわかるよ。あいつも頑張ってんだ、お前と同じくらいか、それ以上にな。それに、山田は俺なんかより全然才能あるから、もう少し長い目で見てやれ」
「やっぱり、その話しに来たんじゃん」
藤代が、力なく笑う。
「そーだよ、お前が心配だったんだよ、バーカ」
(おわり)
「なんでもない。いくぞ」
「はあ?どこへ?」
「レストラン。予約してあるんだ」
「ちょ、ちょ、まってって!」
「そ、れは…、そ…ちがうちがう!そういうことじゃなくて!」
「え、ちょっと、あやまってんのか本心なのかわからないんですけど!」
裏切られた、気がしたのだ。
<設定>
ギムナジウム(パラレル)
<CP>
・藤三
嫉妬とコンプレックス(ひふみ)(R18)
落ち込んだ藤代を慰める三上 …2バージョンあるよ!
『三上→藤代で、三上が…(略)』
三上に優しい藤代
「おまえって実はかしこいのな」 ・・・というセリフを三上に言わせたかった話
空港に藤代を迎えに行く三上
職員室でランデブー (R18)
othello
you are my sunshine
桜舞い散る、・・・藤代が高校にあがってきた日のこと
ヴァリアント (R18 )
夏の終わり / 続・夏の終わり
捨てられるかもしれない
雨の日のはなし
・誠一攻め
プラネタリウム (誠一三上)
誠一三上で藤三な話(プロット)
リリカルな誠一三上
秘書(誠一)×専務? (誠一三上)
社長×秘書 (誠一渋沢) R18
星空~トリック☆スター~ (誠一三上)
ソメイヨシノ (誠一三上)
鯉 (誠一三上)
電話 (誠一三上)
兄弟 (誠二誠一)・・・誠一攻めじゃないけど笑
誠一三上の基本スタンス
・三渋
誠一渋沢で誠一三上で三渋
携帯電話を落として、それを拾った人が知人だったら
大学生@(日が暮れた後の)教室
冷静と情熱の間に R18
時代物パラレル / 続・時代物パラレル
おいおい・・・ (三渋?) 夢でお兄ちゃん三上を書いて、実はそのお兄ちゃんはホモだったていう話・・・
<夢>
引越し / あっちゃんシリーズ※(三上)
クリスマス(渋沢)
CPは藤三とか三渋とか。でも藤代が攻めだったら何でもいけるし、さらに三上が出てたらなんでもいけるよ!
夢は多分三上…?もともと名前変換あんまり使わないので、ブログでも行けるんじゃないかな。
あと、なんかこう違うジャンルで燃え上がった時にこういうブログがあると便利だな!と思ったのでこうして改めて作ってみた次第です。基本放置だと思います^q^
キヅハ (ふんだりけったり・運痴)